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半導体とは?

電子部品として利用される「半導体」だが、言葉は有名でも一体どういうものであるかを説明できるだろうか。
ここでは簡単に説明していこうと思う。

まず、物質は「導電性」によって「導体」「絶縁体」「半導体」というように分類される。
導電性とは文字通り「電気を通す性質」であり、一般的には金属は導体であることが多く、逆に絶縁体の代表的なものはゴムや空気などが挙げられる。
ただし絶縁体といっても「全く電気を通さない」という意味ではなく「電気を通しづらい=電気抵抗が高い」ということであり、例えば空気でも雷のように一瞬ではあるが「絶縁破壊」という現象が起き、電流が導通してしまう。

電気抵抗は中学校の理科でも習う「オームの法則」で求めることができる。
(\(V\,\):電位差[電圧]、\(I\,\):電流、\(R\,\):比例係数[抵抗])

\( \hspace{24px} V = IR \)

一般的に絶縁体として用いられる天然ゴムの抵抗値は「1013〜14 Ωcm」という非常に高い数値であり、これは空気の数倍以上である。
(例えば0.5mm幅のゴムなら、交流や直流かによっても変わってくるが、10kV=10000Vほどの電圧が掛かると絶縁破壊を起こす可能性がある)

では半導体とはどういうものなのか。
半導体をそのまま物質的な意味で捉えると導体と絶縁体の中間的な抵抗値を持つ物質、ということになる。
元素半導体としては14Si(ケイ素、シリコン)32Ge(ゲルマニウム)が代表例である。
半導体の特徴として、物質の温度が上がると電気伝導性が増すことが挙げられる。
(電子回路の熱が問題になるのはこの性質も関わってくる)

半導体はその特徴を生かして電子回路部品(素子)への応用がされている。
純粋な半導体、すなわち不純物を含まない半導体は素子としては使いづらいため、不純物として別の物質を用いる。
それらの特性によって「n型」「p型」と分かれる。
「n型」は電圧を掛けることで電荷が運ばれる半導体であり、一般的には電子の価数が多い物質を混ぜることで、その不純物の電子が電荷を運ぶ役目を持つ。
4価であるシリコンが原材料の場合は5価の元素である15P(リン)33As(ヒ素)などが用いられる。
「p型」は逆に価数の少ない元素を不純物として用いることで、結晶中の自由電子が不純物の元素によって生じる穴、これを「正孔」と呼ぶが、正孔を使って自由電子が移動することで電荷が発生する。
この場合は3価である5B(ホウ素)などが用いられる。

この2つの半導体の特徴を利用したものが「トランジスタ」(transistor)である。
トランジスタは電気信号の増幅やスイッチングなどの用途に使われており、集積回路を構成する重要な部品である。

最初に広く使われたトランジスタは「バイポーラジャンクショントランジスタ」といい、3つの端子「エミッタ(E)」「ベース(B)」「コレクタ(C)」がある。
それぞれ「P-N-P」「N-P-N」の3層構造で構成されており、真ん中がベースとなる。

「PNP型」はエミッタに電流が入力されると、ベースを通じてコレクタ側に電流が流れる。
エミッタの電流を制御することで、コミッタへの出力電流を制御することになる。
「NPN型」はベースに電流が入力されるとコレクタ側からエミッタ側に電流が流れる。
これによりベースへの電流制御でエミッタの出力電流を制御する。

電子工作で一般的に見るトランジスタはこのバイポーラトランジスタであることが多い。

その後登場した「電界効果トランジスタ」(Field effect transistor)、略称「FET」は電圧を掛けることで生じる電界により、電子や正孔の密度を変化させて電流を制御する。
現代の集積回路ではこれが主流であり、CPUなどの大規模集積回路内には1億個以上のFETが使われている。
他にもその材質や目的によって様々な種類のトランジスタがあるが、基本的な構造は同じである。


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